NMOSDとライフプラン
家族および周りの人に病気を伝えますか?
NMOSDのことを友⼈や親戚、ご近所に伝えるか伝えないか迷うことがあるかもしれません。同居している⼈であれば、毎⽇少しずつ病気を理解してもらえます。しかし年に数回しか会わない人であれば、何からどの程度、どのように説明していけばいいのか悩んでしまうかもしれません。

周りの⼈に病気を伝えることについて
NMOSDだということを周囲に言わなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。
「⾒た⽬には何ともないから、たまに会う人には⾔わない」という人もいます。ただ、入退院を繰り返していたり、見てわかる症状があったりする場合は、病名・病状を伝えておくほうが良いかもしれません。
- 家族・親戚に伝える
ほとんどの⼈が家族には伝えていますが、親戚には伝えない場合もあります。親戚に伝えることで、症状が悪くなった時には⼒になってくれることもあるので、伝えた方が良い場合があります。 -
友⼈に伝える
親しい友⼈には症状が⽇によって変わる可能性があることを伝えておくことで、気持ちが楽になることもあります。病気を理由に友⼈関係が悪くなるということを避けるためにも、病気について伝えることが良い場合があります。 - ご近所に伝える
ご近所の様々な推測や噂が悪い⽅向に進まないように、病気について少しずつ説明することもひとつの⽅法です。
説明の仕⽅の一例
- NMOSDは脳と脊髄と視神経の病気であること
- 症状は運動障害・感覚障害・視⼒障害など様々であり、⼈によって⼤きく異なること
- 症状は⽇によって変わることが多いこと
- 完全には治らないが、再発を予防する治療があり、病気でない⼈と同じ⽣活を送ることができること
- まだ、病気の原因はわからないが、研究が進んでいること
- 寿命にはそれほど影響しないこと
MSキャビン. 視神経脊髄炎完全ブック第2版. MSキャビン. 2024. p. 179-190
NMOSDと仕事
NMOSDでは、病気を抱えていない人と同じようにフルタイムで勤めに出ている人、時短勤務や在宅勤務を行っている人などがいます。人それぞれさまざまな形で仕事をしています。
一方で、病状や障害により仕事ができない人も大勢います。中には病気を理由に仕事を辞めたり諦めたりせざるを得ない人もいます。
NMOSDでも勤めに出られる
仕事は体⼒を消耗し、ストレスも感じます。それらが再発のきっかけになると⼼配かもしれません。しかし、何もしないで家にいれば再発しないという保証はなく、むしろ精神的に良くないでしょう。NMOSDを理由に仕事をあきらめるのは、あまり良いこととはいえません。実際にNMOSDでもフルタイムで働いている⼈もいます。
仕事をするにあたってどのようなことを気をつけたらよいか、主治医とご相談ください。
仕事中の⼯夫
できるだけこまめに休憩しましょう。パソコンのモニターや細かい資料を⾒る時は、定期的に⽬を休めることを忘れないようにしてください。疲労の症状がある場合は、特にこまめな休憩を⼼がけましょう。
MSキャビン. 視神経脊髄炎完全ブック第2版. MSキャビン. 2023. p. 186-190

NMOSDと妊娠・出産
NMOSDが直接の原因で子供ができなくなったり、出産に悪影響を及ぼしたりすることはありません。流産、死産、奇形発生、分娩時の合併症のリスクが高まっている事実はありません。
妊娠の血液中のAQP4抗体が胎児に移行したという報告がありますが、これによって赤ちゃんが病気を起こしたという報告はありません。赤ちゃんの血液中のAQP4抗体は通常、数ヵ月で消失します。
現在は「NMOSDを理由に妊娠を諦めることはない」という見解で一致しています。
MSキャビン. 視神経脊髄炎完全ブック第2版. MSキャビン. 2023. p. 169-174
